令和4年度 伊丹恒生脳神経外科 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 11 34 66 88 228 196 67
 令和4年4月1日~令和5年3月31日までに退院された患者様を対象としています。
 年齢別で見ていくと、40歳以上から患者数が増加し、60歳以上ではさらに患者数が増えています。退院患者総数696名に対し、60歳以上の方は579名で、その割合は約83%(一昨年度82%、昨年度84%)となります。脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などの脳血管障害)の危険因子である生活習慣病(高血圧症、2型糖尿病、脂質異常症など)の有病率は50歳代から高くなり、比例して脳卒中を発症されることが増えてきます。
 また加齢による筋力の衰えや歩行困難、視力低下などによって転倒することで頭部外傷を受け、そこから引き起こされる頭蓋内血腫の発症率も上がる傾向にあります。
 若年層では、てんかんや頭部外傷が入院のきっかけとなっていますが、0~20歳代の患者数はそれぞれ10人未満のため「-」と表示しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 105 20.63 15.97 3.81 70.72
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 48 9.56 10.14 4.17 77
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 44 30.64 19.58 9.09 67.93
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 31 24.03 16.01 0 74.06
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 1あり 発症前Rankin Scale 0、1又は2 25 17.24 17.76 4 75.36
 脳神経外科での上位5位を示しています。1位 脳梗塞(手術なし、副傷病なし)、2位 慢性硬膜下血腫、3位 脳出血、4位 脳梗塞(手術なし、副傷病なし)、5位 脳梗塞(手術なし、副傷病あり)の順になります。同じ脳梗塞でも病態によって細かく分類されているため、1位、4位、5位に「脳梗塞」が上がっています。
 2位にあまり聞きなれない「慢性硬膜下血腫」が入っています。慢性硬膜下血腫とは、頭蓋骨の内側にある硬膜とくも膜の間に1~2か月ほどかけて血腫(血のかたまり)ができ、その血腫が脳を圧迫することで頭痛や物忘れ、歩行困難、片側の手足に力が入らないなどの症状が出てきます。多くの場合、頭部外傷によって受傷したときに異常が見られなくても、じわじわと血腫ができることによって起こります。しかしながら、原因がはっきりしない場合もあります。本人も覚えていないようなドアの角で軽く頭を打ったとか、酔って記憶がないときに頭部打撲をしたとかといった理由によっても引き起こされます。血腫が大きくなり、症状が出てくる場合は手術によって血腫を除去します。当院での脳神経外科領域では、慢性硬膜下血腫の手術がもっとも件数が多くなっています。
 平均在院日数は、当院での回復期リハビリテーション病棟での入院期間も含まれるため、全国平均に比べ長くなっています。令和4年度の急性期病棟での平均在院日数は13.57日となっています。
消化器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 11 3.27 2.64 0 76.55
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 10.88
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 4.59
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 6.07
060035xx011xxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 あり 34.87
 小腸大腸の良性疾患(いわゆる大腸ポリープ)の患者様が11名おられました。それ以外の疾患は10名未満のため「-」で表示しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌
大腸癌
乳癌
肺癌
肝癌
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 当院には消化器外科があり、胃癌や大腸癌などの手術や化学療法等を行っていますが、患者数が10人未満のため「-」と表示しています。その他の癌患者の診療については、他の専門病院に紹介しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症
重症
超重症
不明
 当院は脳卒中や頭部外傷を中心に診療を行っていることから、成人市中肺炎の患者数が10人未満のため「-」と表示しています
脳梗塞の患者数等
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 248 26.97 75.33 7.96
その他 41 58.34 74.15 0.69
 脳梗塞とは血栓(小さな血のかたまり)が脳血管に詰まることで起こる病気です。脳神経細胞に血液が運ばれず、さまざまな障害が起こってきます。脳梗塞の治療は時間との勝負です。発症日から3日以内に治療を開始した患者は全体の約86%で、早期に治療をすることで在院日数(入院期間)も短くなることがわかります。発症の平均年齢は75歳前後で、いわゆる後期高齢者に差し掛かると脳梗塞の発症に注意する必要があると言えます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 47 0.43 8.64 4.26 75.83
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 14 4.79 7.07 7.14 74.43
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下)
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内)
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステント)
 脳神経外科の手術患者数では、1位 慢性硬膜下血腫、2位 内頸動脈狭窄症の順となっています。当院では「脳血管内治療」という比較的新しい手術方法を導入しています。これは頭の皮膚を切ったり、頭蓋骨を開いたりすることなく、血管の中にカテーテルという細い管を通して行う患者様の身体に負担が少ないものとなっています。3位以下は10名未満のため「-」と表示しています。
消化器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 11 0.73 1.55 0 76.55
K6335 鼠径ヘルニア手術
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術
K6772 胆管悪性腫瘍手術(膵頭十二指腸切除及び血行再建を伴う)
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術)
 消化器外科の手術患者数では、小腸大腸の良性疾患(いわゆる大腸ポリープ)の患者様が11名おられました。それ以外の疾患は10名未満のため「-」で表示しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる
 敗血症及び手術・処置等の合併症など、上記症例数はすべて10件未満のため「-」と表示しています。
更新履歴
2023年9月20日