リハビリテーション科

超急性期から急性期、生活期まで 一貫した治療・援助で 一日も早い、社会復帰を。

 リハビリテーション部には理学療法士19名(うち非常勤5名)、作業療法士23名(うち非常勤8名)、言語聴覚士6名(うち非常勤2名)が在籍し、入院患者様に対し、超急性期リハビリテーションを提供しております。最新の知見に基づき、専門医の指示の下、看護師その他専門職と協同し、病態に応じて可能であれば入院当日から介入します。また、高次脳機能障害の方の社会復帰に向けた外来リハビリテーションを、言語聴覚部門で行っています。

 2015年度より回復期病棟を開設、訪問リハビリテーションを開始しており、急性期から生活期まで一貫した治療・援助を行うことができるようになっております。

伊丹恒生脳神経外科病院におけるリハビリテーションの基本方針

1)脳外科医師によるリスク管理の下、徹底的に早期離床にこだわり、急性期から十分なリハビリテーションを行っていきます。具体的なリハビリテーションの進め方は「脳卒中リハビリテーション 島田 真一. 兵庫県理学療法雑誌,14,25-30,2008」をご参照下さい。
 また平成24年より兵庫県理学療法士会の研修を担当させていただいております。急性期リハビリテーションの重要性を理解し、その進め方を知っている脳外科医と共に病態を考えながらリハビリテーションを進め、患者さんの最大限の機能回復を目指します。離床に関しては、脳梗塞で平均2、3日、脳内出血で、重度の症例以外は2~4日、くも膜下出血に関しては脳血管攣縮期でも状態を見ながら積極的に離床を行っています。重要な点は、スタンダードな脳卒中急性期リハビリテーションを行いますので、必要な患者さんには早期より装具(LLBを含む)を処方し、早期からの立位訓練、歩行訓練を行っていきます。急性期の呼吸リハに関しては、セラピストが中心となり頑張ってくれています。

2)急性期より十分なリハビリテーションを行い、可能な患者さんは直接自宅退院を目指します。そのため今春からは医療保険での訪問リハビリテーションを開始します(early discharge systemの構築)。

3)セラピストの技術を含めての臨床力がつく指導体制、及び研究がしたい方には、研究ができる体制があります。週一回外部講師を招き、臨床、研究の指導を行っております。少しずつ成果は出てきており、日本脳卒中学会、日本リハビリテーション学会などにも演題を出しています。大学院進学を積極的に勧めており、現在2人が大学院(修士課程)に在籍し、臨床と研究に頑張っています。

 リスク管理を行いながら、積極的に脳卒中急性期リハビリテーションを行っていきます。単純に量をこなすリハビリテーションではなく、リハビリテーションの質、及び結果にこだわっていきます。一つの手技、流派にこだわるセラピストは求めていません。バランス感覚があり、熱意のあるセラピストを待っています。

文責
伊丹恒生脳神経外科病院
脳神経外科
島田 真一(副院長)
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会認定専門医
日本リハビリテーション学会専門医・指導医

急性期リハビリテーションの重要性

 脳卒中発症直後は、麻痺などの脳卒中そのものの症状に加えて、肺炎などの合併症や廃用症候群(心肺機能が低下する、関節が固くなる、筋肉の力が弱くなる、静脈に血栓ができる、認知機能が低下する等)が起きやすい状態にあります。合併症や廃用症候群が重症化すると、機能回復が進まず、後々の生活が大きく制限される要因になります。しかし治療や看護と併せて専門的なリハビリテーションを行うことで、合併症や廃用症候群を予防し、もし起きたとしても影響を最小限に食い止めることができます。
 脳卒中急性期は脳神経外科的治療が必要な時期であると同時に、機能回復のゴールデンタイムとも言われています。急性期での機能回復の程度が将来の運動機能や生活の自立度を大きく左右します。

当院のリハビリテーションの目標

 脳卒中入院患者さまに

1 症状が安定してからのリハビリテーションがより効率的に進むよう、超急性期から心肺機能、認知・運動機能を最大限に高めておくこと

2 回復期では最大限の機能回復・生活の自立度向上を目指し、早期に生活の場へ戻って頂くこと

3 生活期では自立したその人らしい生活を獲得して頂くことが、私たちの目標です。この目標を実現するために、合併症と廃用症候群の予防、最大限の機能回復に力を注ぎます。

セラピストのスキルアップに向けた取り組み
 日進月歩変化していくリハビリテーションの世界。最新の知識、技術を取り入れ、学会での発表や論文の執筆などにも努めています。

カンファレンス

医師、ソーシャルワーカー、看護師を交えたカンファレンスを毎週開催

部内勉強会

脳外科医による脳画像・機能の勉強会、テーマ別勉強会、高次脳機能勉強会、症例検討会を毎週開催

補助制度

院外勉強会・学会発表 → 参加費・交通費支給

研究活動 → 補助金支給

大学院進学 → 補助金支給

臨床指導

部内での臨床指導に加えて、院外のセラピストを招いての臨床指導も実施

進行中の臨床研究

理学療法

脳出血とクモ膜下出血患者の離床時期の調査

急性期脳卒中患者の自律神経の評価

脳卒中急性期リハビリテーションのエビデンスの構築

重症脳卒中患者における急性期下肢筋肉量減少に関する研究

軽症脳梗塞患者における急性期病院入院中の身体活動量に関する研究

作業療法

急性期における上肢機能集中訓練の最適な分量の研究

急性期における半側空間無視の調査および介入の検討

言語聴覚療法

大脳基底核領域における発声制御機能の左右差の研究

服薬と嚥下障害に関する実態調査