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片頭痛予防薬アクイプタ・ナルティーク「CGRP受容体関連経口薬」の取扱いを開始しました|特徴と効果を専門医,薬剤師が解説
片頭痛の予防薬「アクイプタ」とは?専門医による解説動画はこちら
- 「片頭痛の回数が多くて、仕事や家事に支障が出ている」
- 「予防薬を飲んでいるけれど、あまり効果を実感できない」
- 「注射の予防薬は効果が高いと聞くけれど、針を刺すのが怖い」
このようなお悩みをお持ちの片頭痛患者さんに、新しい選択肢として経口予防薬が発売されました。
これまでの予防薬とは全く異なる仕組みで片頭痛の根本原因にアプローチする、画期的な「飲み薬」です。本記事では、この新しいお薬の特徴や効果、副作用、他の薬との違いについて、専門的な知見から分かりやすく薬剤師が解説します。

1. 片頭痛が起こる原因
片頭痛が起こるとき、脳の神経の一つである「三叉(さんさ)神経」からCGRPという物質が過剰に放出されます。 このCGRPが脳の血管などにある「CGRP受容体」と結合すると、以下のような反応が起こり、片頭痛の痛みとして感じられるようになります。
- 脳の血管が拡張する。
- 血管の周りに炎症が引き起こされる。
- 痛みのシグナルが脳に伝わる
2. お薬(CGRP受容体拮抗薬)の働き
アクイプタやナルティークは、この「CGRP」と「CGRP受容体」が結びつくのをブロックする働きをします。
イメージとしては、CGRPを「痛みを引き起こす鍵」、CGRP受容体を「鍵穴」と考えると分かりやすいでしょう。通常の発作時:鍵(CGRP)が鍵穴(受容体)に差し込まれ、痛みのスイッチが入ります。
お薬を服用したとき:お薬が先回りして「鍵穴をふさぐカバー」のような役割をします。鍵(CGRP)が鍵穴に入らなくなるため、痛みのスイッチが入るのを防ぎ、発作を抑えることができます
3. お薬ごとの期待される効果
この仕組みにより、以下のような効果が期待できます。
- アクイプタ:毎日服用することで、常にこの「カバー」がある状態を作り、片頭痛発作をできるだけ起こさないようにします(発症抑制)。
- ナルティーク:痛みがない時に定期的に飲むことで発作を予防するだけでなく、痛みが出た時に飲むことで、その場の痛みのシグナルを遮断することもできます(発症抑制と急性期治療の両方)。
このように、痛みの原因物質が作用するポイントを直接抑えるのが、これらのお薬の大きな特徴です。
4. 他の片頭痛予防薬との比較・使い分け
自分にどの薬が合っているかを知るために、主な薬剤との違いを整理しました。

5. 気になる副作用と注意点
・アクイプタの副作用
アクイプタを服用した際によく見られる症状には、吐き気や胃のむかつき、便秘、食欲が落ちる、眠気を感じる、体重が減るといったものがあります。また、検査値として肝機能の指標(ALT/AST)が増加することもあります。まれではありますが、重大な副作用として「過敏症反応」が起こることがあります。具体的には、全身のかゆみ、じんま疹、喉のかゆみ、ふらつき、動悸、息苦しさ、発疹、顔のむくみといった症状です。もし服用後にこれらの症状に気づいた場合は、速やかに医師に相談してください。
・ナルティークの副作用
ナルティークの服用中にあらわれることがある主な副作用は、便秘です。具体的には、排便の回数が少なくなる、お腹が張って苦しいといった症状が報告されています。また、重大な副作用として「過敏症」に注意が必要です。服用してから数分後、あるいは数日経ってから、息苦しさ(呼吸困難)や発疹などの症状が出ることがあります。
・注意点について
どちらのお薬も、服用を続ける中で気になる症状があらわれた場合は、自己判断で中断せずに主治医や薬剤師に相談することが大切です。特に、息苦しさや激しい発疹などの激しいアレルギー症状(過敏症)が出た場合には、すぐに対応が必要です。また、アクイプタの効果がみられる時期には個人差があります。通常は、お薬がどの程度効いているかを判定する目安として、投与開始から3か月ほど継続して様子を見ることになります。十分な効果が得られるように、毎日の服用を忘れずに継続することが大切です。なお、アクイプタは症状の有無に関わらず毎日服用することで片頭痛発作を抑える「予防」のお薬であり、既に起きてしまった痛みをその場で鎮めるお薬ではありません。
6. 費用と処方期間のルール
- 保険診療の適用: アクイプタもナルティークも、基本的には医師の処方箋が必要な医療用医薬品であり、健康保険が適用されます。多くの患者さんは3割負担となります。
- 処方量による違い:
- アクイプタは通常、毎日1回服用するため、30日分(1か月分)の薬剤費がかかります。
- ナルティークを「予防(発症抑制)」として使う場合は、2日に1回の服用となるため、1か月で約15錠分が目安となります。一方、「治療(急性期)」として使う場合は、発作が起きた回数分だけの費用となります。
- 新薬の制限: 新しく発売されたお薬は、一定期間、1回の処方日数が制限される(例:14日分まで)ことがあるため、通院頻度によって再診料などの負担も変わる可能性があります。
まとめ:頭痛のない「当たり前」の日常へ
アクイプタは、「注射はしたくないが、飲み薬で早く、確実に片頭痛を減らしたい」という患者さんの願いに応える新しい光です。「たかが頭痛」と我慢する必要はありません。アクイプタのような最新治療を組み合わせることで、頭痛に振り回されない生活を取り戻すことができます。当院では、患者さん一人ひとりのライフスタイルや頭痛の頻度に合わせて、最適な治療プランをご提案します。アクイプタやナルティークに興味がある方、今の治療で満足いく効果が得られていない方は、ぜひ一度ご相談ください。
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