Departments & Services

診療科・部門

  1. TOP
  2. 診療科・部門
  3. 脳血管内治療科
  4. 特徴・主な対応疾患

脳血管内治療科脳血管内治療科

特徴・主な対応疾患
特徴・主な対応疾患

開頭手術と血管内治療の両面から、最適な治療をご提案します

脳血管内治療とは、頭を切らずに血管の中からカテーテルを使って治療する方法です。足の付け根や手首の血管から細い管(カテーテル)を挿入し、脳や頸部の病変部位まで進めて治療を行います。開頭手術に比べて体への負担が少ないことが大きな特徴で、近年急速に発展している分野です。当科では2026年4月より脳血管内治療専門医2名体制となり、より充実した血管内治療を提供できる体制を整えています。2012年10月からの累計700例の血管内治療実績をもとに、一人ひとりの患者さんに最適な治療をご提案します。開頭手術と血管内治療のどちらが適切かを総合的に判断できることが、当科の強みです。脳血管疾患でお悩みの方は、まずお気軽にご相談ください。

脳血管内治療の基本的な考え方

脳血管内治療は大きく2つの考え方に分けられます

詰める治療

脳動脈瘤や脳動静脈奇形などの疾患に対して、コイルや塞栓物質などを用いて血流を遮断する治療です。脳動脈瘤に対する治療では、従来のコイルを用いた塞栓術のほかにフローダイバーターステント(FD)などを用いた治療なども行っております。また最近では、難治性の慢性硬膜下血腫に対しても、栄養血管を塞栓することで再発を抑えることを目的とする治療も行われるようになってきています。

広げる・通す治療

頸動脈や脳動脈などの血管が狭くなった狭窄症や、詰まってしまった閉塞症に対してに対して再び開通させる治療です。頸動脈ステント留置術(CAS)や、急性期脳梗塞(心原性脳塞栓症)に対する経皮的脳血栓回収療法などが対象になります。

当科の治療方針

当科は小規模施設ではありますが、過度な適応拡大は行わず、安全性を重視した血管内治療を基本方針としています。開頭手術と血管内治療のどちらが適切かを客観的に判断し、患者さんにとって最善の選択をご提案することを大切にしています。
脳梗塞急性期・頸動脈狭窄症・未破裂脳動脈瘤の治療適応判断や経過観察・フォローアップについても、お気軽にご相談ください。

脳血管内治療を行う主な疾患

出血性疾患脳動脈瘤(破裂、未破裂)、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻
虚血性疾患頸動脈および頭蓋内動脈狭窄症に対する血管形成術、ステント留置術、急性期の脳梗塞(再開通療法)
その他脳腫瘍塞栓術、難治性慢性硬膜下血腫に対する硬膜血管塞栓術など

未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術

未破裂脳動脈瘤とは

脳動脈瘤は、脳の血管の一部がふくらんで「こぶ」のようになった状態です。多くは症状がなく、MRIや脳ドックで偶然見つかりますが、破裂するとくも膜下出血を起こす可能性があります。ただし、すべての動脈瘤が破裂するわけではありません。大きさ・形・場所、年齢や持病などによって危険性は異なるため、見つかった場合には「治療をするか、経過観察とするか」を慎重に判断する必要があります。

コイル塞栓術とは

コイル塞栓術は、頭を開けずに行う治療です。足の付け根や手首の血管からカテーテルを入れ、脳の血管まで進め、動脈瘤の内部にプラチナ製の細いコイルを詰めて血流を遮断します。これにより、動脈瘤が破裂する危険を下げることができます。開頭クリッピング術と比べて体への負担が少ないことが特徴です。

脳血管内治療科

脳血管内治療科

脳血管内治療科

治療の流れ

1. 入院(通常数日前)
2. カテーテル治療(全身麻酔で行います)
3. 術後は集中管理(1~2日程度)
4. 状態確認後、問題がなければ退院(おおむね1週間前後)

治療を受けるかどうか

重要なのは、「見つかった=必ず治療」ではないという点です。治療にはメリットだけでなく、合併症のリスクもあります。当院では、動脈瘤の性質と患者さんの生活背景を踏まえ、治療を急ぐべきか定期検査でよいかを丁寧に説明します。より専門的な治療が望ましい場合には、基幹病院と連携して対応します。

頸動脈狭窄症に対するステント留置術(CAS)

頸動脈狭窄症とは

首の左右にある頸動脈は、脳へ血液を送る重要な血管です。動脈硬化によって血管の内側にプラーク(脂肪のかたまり)がたまり、血管が狭くなると脳梗塞の原因になります。症状がないこともありますが、以下のような一過性脳虚血発作を起こすことがあります。
・ 片側の手足のしびれ・麻痺が一時的に起きた
・ 言葉が一時的に出にくくなった
・ 片目が一時的に見えなくなった

CAS(頸動脈ステント留置術)とは

ASは、カテーテルを用いて狭くなった血管を内側から広げる治療です。足の付け根の血管からカテーテルを入れ、狭くなった頸動脈に金属製の筒(ステント)を留置して血流を改善します。開頭手術(内膜剥離術)に比べて体への負担が少ないことが特徴で、当院では豊富な症例実績があります。
治療中に血管壁の破片や血栓が脳へ流れるのを防ぐため、バルンやフィルターを用いた脳保護を行いながら治療します。

  • 脳血管内治療科
  • 脳血管内治療科

治療の流れ

1.入院・術前検査
2. 血液を固まりにくくする薬の内服調整
3. カテーテル治療(通常は局所麻酔)
4. 術後の観察(数日)
5. 退院後は定期的な超音波検査で経過確認

治療適応について

すべての頸動脈狭窄に手術が必要なわけではありません。狭窄の程度・症状の有無・年齢や全身状態によって、内服治療で経過を見る方が安全な場合もあります。当院では、治療の利益と危険性の両方を説明し、必要な場合に治療を行います。高度な管理が必要な症例では専門施設と連携します。

脳梗塞に対する血管内治療

心原性脳梗塞とは

脳梗塞の中でも、心臓の中でできた血のかたまり(血栓)が脳の血管に飛んで詰まるタイプを心原性脳梗塞といいます。主な原因は心房細動などの不整脈です。突然発症し、重症になりやすい特徴があります。

発症直後(救急対応)

発症後は時間との勝負です。当院では来院後すぐにCT・MRIを行い、出血の有無・血管が詰まっている場所を確認します。条件を満たす場合には血栓溶解療法(点滴治療)を行います。さらに太い血管が詰まっている場合には、カテーテルによる血栓回収療法が必要になることがあります。

脳血管内治療科

脳血管内治療科

急性期治療後・再発予防

状態が安定した後は、再発予防が重要になります。多くの場合、抗凝固薬を開始します。心房細動の評価・心臓検査・リハビリテーションを行い、日常生活への復帰を目指します。
心原性脳梗塞は、適切な薬を継続することで再発を大きく減らせる病気です。当院では、内服管理や生活指導を含め、長期的なフォローアップを行います。